ペンテコステ礼拝
『聖霊の働き』
聖書箇所 ヨハネ16:5~15
16:5 しかし今わたしは、わたしを遣わした方のもとに行こうとしています。しかし、あなたがたのうちには、ひとりとして、どこに行くのですかと尋ねる者がありません。
16:6 かえって、わたしがこれらのことをあなたがたに話したために、あなたがたの心は悲しみでいっぱいになっています。
16:7 しかし、わたしは真実を言います。わたしが去って行くことは、あなたがたにとって益なのです。それは、もしわたしが去って行かなければ、助け主があなたがたのところに来ないからです。しかし、もし行けば、わたしは助け主をあなたがたのところに遣わします。
16:8 その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます。
16:9 罪についてというのは、彼らがわたしを信じないからです。
16:10 また、義についてとは、わたしが父のもとに行き、あなたがたがもはやわたしを見なくなるからです。
16:11 さばきについてとは、この世を支配する者がさばかれたからです。
16:12 わたしには、あなたがたに話すことがまだたくさんありますが、今あなたがたはそれに耐える力がありません。
16:13 しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます。御霊は自分から語るのではなく、聞くままを話し、また、やがて起ころうとしていることをあなたがたに示すからです。
16:14 御霊はわたしの栄光を現わします。わたしのものを受けて、あなたがたに知らせるからです。
16:15 父が持っておられるものはみな、わたしのものです。ですからわたしは、御霊がわたしのものを受けて、あなたがたに知らせると言ったのです。
説教要旨
ヨハネ福音書14章~16章は、主イエスが十字架に架かられる前日、弟子たちに語られたことが記されています。
主イエスは、ご自身が十字架で死に、復活され、天の父なる神のもとへ昇り、弟子たちのもとを去られることを告げました(v5~v6)弟子たちは、悲しみでいっぱいになったのです。しかし、主イエスは、その弟子たちにご自身が去っていくことは、弟子たちにとって益である、それは、助け主なる聖霊が弟子たちに遣わされるからであると告げました。(v7)主イエスは、ご聖霊を「助け主(v7)」と仰せられました。「弁護者」「援助者」との意味です。弟子たちの今後の歩みには罪の力や困難や迫害があるが、ご聖霊は、助け主で、弟子たちを聖め、慰め、強め、助けて下さると約束されました。
続いて、主イエスは、ご聖霊のこの世に対する働きを告げました。「その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます。(v8)」ご聖霊は、神がこの世界に救い主として与えて下さったキリストを信じないことが罪であること、キリストが神の独り子であられ、その言葉は全く真実なものであること、キリストの十字架の死は敗北ではなく、サタンの働きを決定的に打ち破る勝利であり、罪の赦しを与えることを認めさせるのです。私たちは、以前、キリストの十字架の死により罪の赦しと永遠のいのちが与えられると言われても、ぴんときませんでした。しかし、あるとき、キリストの救いが分かったのです。自分が罪人であることを認め、その私を愛し、キリストが十字架に架かって死なれ罪を赦して下さり、永遠のいのちを与えて下さる救い主であることを信じたのです。本日、宮内姉、武藤兄、武藤姉が洗礼をお受けになられました。お証にありましたように、それぞれの方が神様に手を引かれるようにして教会に来られ、御言葉を通し、ご聖霊が働らかれ、罪を認めさせ、キリストの十字架の死が自分のためであることを示し、主イエスを救い主と信じ、洗礼の恵みに与りました。
続いて、主イエスは、弟子たちに、ご聖霊は真理の御霊で、弟子たちを真理に導き入れると仰せられました。そして、約束通り、弟子たちは、ご聖霊が降った後、キリストの十字架の死と復活の意義を深く理解し、キリストとの交わりに与りました。「御霊はわたしの栄光を現します。(v14)」「わたしのものを受けて、あなたがたに知らせるからです。(v14)」とある通り、ご聖霊は、弟子たちにキリストの栄光を現し、キリストの語られていたことを思い起こさせ、キリストとの交わりに与らせ、キリストの証人と導かれたのです。あれほど悲しみと恐れに沈んでいた弟子たちが、ご聖霊が降り、キリストの栄光に与った時に、喜びに満たされ、主イエスの力強い証人とされていったのです。
ご聖霊は、私たち一人ひとりの内に住んで下さっておられます。そして、ご聖霊は、助け主として、私たちを慰め、強め、助けて下さり、また、真理の御霊として、御言葉を悟らせ、キリストとの交わりにいよいよ与らせ、悲しみや恐れから立ち上がらせ、キリストの証人として歩ませて下さいます。洗礼式の誓約に、「あなたは、聖霊の恵みに信頼し、キリストのしもべとして、ふさわしく生きることを願いますか。」とありました。信仰生活は、聖霊の恵みに信頼していく歩みです。この世の歩みの中で悲しみや恐れに満ちることがあります。信仰生活の闘いの中で罪の力に覆われてしまうように覚える時もあります。でも、ご聖霊は私たちの内にいつまでも住まわれ、私たちを助け、キリストとの交わりに与らせて下さいます。聖霊の助け、聖霊のキリストの恵みに与らせて下さる働きに拠り頼み、喜びに満たされ、主イエスの証人としての信仰の旅路を力強く歩ませていただきましょう。