『神のことばは』
聖書箇所 Ⅰテサロニケ2：13～16
2:13 こういうわけで、私たちとしてもまた、絶えず神に感謝しています。あなたがたは、私たちから神の使信のことばを受けたとき、それを人間のことばとしてではなく、事実どおりに神のことばとして受け入れてくれたからです。この神のことばは、信じているあなたがたのうちに働いているのです。
2:14 兄弟たち。あなたがたはユダヤの、キリスト・イエスにある神の諸教会にならう者となったのです。彼らがユダヤ人に苦しめられたのと同じように、あなたがたも自分の国の人に苦しめられたのです。
2:15 ユダヤ人は、主であられるイエスをも、預言者たちをも殺し、また私たちをも追い出し、神に喜ばれず、すべての人の敵となっています。
2:16 彼らは、私たちが異邦人の救いのために語るのを妨げ、このようにして、いつも自分の罪を満たしています。しかし、御怒りは彼らの上に臨んで窮みに達しました。
説教要旨
パウロは、2章に入り、テサロニケでの宣教の働きと態度を記しましたが、テサロニケ教会の人々は、パウロの宣教の言葉をどう受け止めたかが今日の箇所に記されています。（v13）彼らは、パウロが告げた福音を、単に人間の言葉としてではなく、神の言葉として受け入れたのでした。「私たちから（v13）」とあるように、確かに、パウロがテサロニケ教会の人々に語りました。パウロの言葉でした。でも、パウロは、自らが告げた神の言葉を決して人間的な教えとしては告げませんでした。「神の使信のことば（v13）」と述べ、「神の福音」とも繰り返し記し、「事実どおりに神のことば（v13）」とも述べています。神は、パウロに、人を罪から救い生かす福音の言葉を委ねられ、ご自身の言葉を語られたのです。そして、テサロニケ教会の人々は、パウロが語った神の言葉を、神の言葉として受け入れ、罪からの救いに与ったのです。それは、ご聖霊の働きによりました。(1：6)私たちが神の福音を聖霊により語る、そして、聖霊によりその神の福音の言葉を受け入れる、そこに神様の救いの業がなされ、私たち人間が罪から救われ、新しいいのちに生かされるのです。
さらに、パウロは、テサロニケ教会の人々が神の言葉を受け入れ改心しただけではなく、その神の言葉は、今も彼らの中に働いていると記しました。（v13後半）「働いたのです」ではなく「働いているのです（v13）」と。テサロニケの人々は、御言葉を聴き、イエス・キリストに対する信仰に導かれただけではなく、神の御思いを知り始め、お取り扱いを受け、神の喜ばれることを求め始め、内的な面が変えられ、生活が変えられていきました。単に教えが頭に入り、聖書知識が増えていということではなく、神の言葉は、ご聖霊により、私たちの内に力強く働き、慰め、励まし、軌道修正し、整えていくのです。
続いて、そうした神の言葉が働いている証拠を記していきます。14節の原文には「なぜなら」という言葉があります。テサロニケ教会は、パウロから神の福音を聞き、イエス・キリストを信じ、また、神の言葉に養われていった中で、迫害を受けました。御言葉により、新しく造り変えられていき、この世と調子を合わせなくなり、迫害や反対や孤立の中に置かれることは、辛いことですが、神の言葉が、私たちの内に働いている証拠です。しかし、また、その迫害の中で、テサロニケ教会の人々は、イエス・キリストへの愛と信仰に堅く立つことができました。なぜでしょうか。パウロが語った神の言葉が、パウロがテサロニケを離れた後も、変わることなく働いており、実を結び続けていたためです。神の言葉が、働いていたからです。
神の言葉は、人間の教えではなく、人を罪から救う神の力です。そして、神の言葉は、私たちの内に働き、私たちを新しく造り変え、聖め、養い、お取り扱いになられ、生活を変えていきます。そして、それは、私たちをこの世の時代の子としての歩みから次第に離れさせ、信仰の迫害や闘いをもたらすことがあります。しかし、また、神の言葉は、私たちの内に働き、信仰の闘いの中にあっても、慰め、励まし、いよいよ主イエス・キリストへの信頼に立たせるものであるのです。
私たちは、神の御言葉により、救い主イエス・キリストを受け入れ、罪からの救いに導かれていきたいと願います。また、御言葉による、神様のお取り扱いに身を委ね、いよいよ新しく聖められて参りたいと願います。そして、そこには、迫害や闘いが生じることもありますが、なお、御言葉により励まされ、慰められ、主イエス・キリストへの信頼に堅く立ち、いよいよ神様の祝福の内を歩ませていただきたいと願います。「これこそ悩みのときの私の慰め。まことに、みことばは私を生かします。（詩篇119：50）」御言葉は、私たちの力、慰め、相談相手です。私たちをまことに生かす御言葉に導かれ、養われ、信仰の勝利の内を歩ませていただきましょう！