聖書メッセージ 『創造者を覚えよ』(伝道者の書12:1~2)

聖書箇所  伝道者の書12:1~2

12:1 あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。

12:2 太陽と光、月と星が暗くなる前に、また雨の後に雨雲が戻って来る前に。

 

説教要旨  斎藤成美師

「あなたの創造者を覚えよ」は、聖書の中でも有名なことばの一つ。ダビデの子ソロモン王が、ある日神から示され語った言葉。

 

I なぜ創造者なのか。ソロモンは、どうして「神を覚えよ」と言わずに、「創造者」と言ったのか。それは、あなたが造られた者であるからである。「人間の本当の親を覚えよ」ということ。親の愛の中で子どもは良く育つように、同様に人間は神の愛と正義によって良い成長し、人間として出来上がる。元々、人間や自然は、神の最高の愛の中に造られた。神を愛し、人を愛するものとして造られた。人が出会う時、互いに尊敬の念をもって挨拶する。自然に良き交わりが生じた。人は常に真実に生きることができた。全てにおいて良かった(創世記1:31)

 

II  神の美しき創造。神は人を創造し、「良し」と認めたもののみを存在させた。正義と愛の神が満足したもののみが存在した。それは非常に良かった。病気、事故は存在せず、老いもない。常に元気で、死もない。突然の事故で悲しみの地獄に堕とされることもない。それは非常に良く、全てにおいて輝いていた。毎日神との語らいがあり、自然の中に、自然現象の中に、神の素晴らしい創造のわざを見て、感激して語り神を褒め称えた。変わってしまった今でも、空に、自然界の中に、水の中に、海の中に、山に草原に、数々の神の神秘を見ることができる。人間の世界が変わってしまう前までは、無数に感じ取り、感激と喜びが満たされていたことであろう。

 

III愛の創造者に帰る。人間の現実はお願いがあるのですが「闘い」である。創造時の美しさはもうない。先週教会学校に幼い男の子がガラスドアを開け顔を出し「歯抜けた!」と。子どもは希望に満ちている。新しい歯は永久歯となる。ところが、年寄りに大問題であり、ある意味では絶望のどん底である。人間は、あらゆる所で毎日のように「闘い」である。こどもは、親との正しい関係にあり、愛に育まれ、良い成長をする。特別表立って問題がない家庭でも、親子の関係がギクシャクするケースも少なくない。ある子どもは、大学の寮に入るようになり、親から離れるのをすごく喜ぶ。しかしまた、別な誘惑が忍び寄ることも。子どもも闘いの中に巻き込まれている。(心満たされない少女の危険と救いの話は省略)創造者なる神は、人間の「闘い」を良しとはしない。神に立ち帰ることを願っておられる。神は、神に帰るのをしっかりと受け入れて下さる。詩篇30篇5節は、神に帰った人の日々を現す聖句である。「ゆうぐれには涙があっても、朝明けには喜びの叫びがある。」神は、神に戻った人といつも共にいて、慰め励まし、元気を与える。闘いの中で、もう一人ではない。神は助け励ましで、力が出る。イエス様は話された。「ある家庭の次男坊が、家族の反対を押し切って旅に出た。大成功して大金持ちになることを夢見て。しかし、世間は甘くはない。彼は、財産を全部使い果たし無一文になった。彼は豚飼いのアルバイトをした。丁度飢饉が起こり、食べる事にも窮した。彼はどん底の生活の中で、親の元に帰ることを決断し、従業員として雇ってもらおうと決断した。毎日帰るのを待っていた父親は、彼が戻ると何も言わずにしっかりと抱きしめ、息子として迎えたのであった。親の子に対する愛のすごさ! 神の愛はもっと大きい。