聖書メッセージ『聖霊の働き』(ヨハネ16:5~16)

聖書箇所   ヨハネ16:5~16

16:5 しかし今、わたしは、わたしを遣わされた方のもとに行こうとしています。けれども、あなたがたのうちだれも、『どこに行くのですか』と尋ねません。

16:6 むしろ、わたしがこれらのことを話したため、あなたがたの心は悲しみでいっぱいになっています。

16:7 しかし、わたしは真実を言います。わたしが去って行くことは、あなたがたの益になるのです。去って行かなければ、あなたがたのところに助け主はおいでになりません。でも、行けば、わたしはあなたがたのところに助け主を遣わします。

16:8 その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世の誤りを明らかになさいます。

16:9 罪についてというのは、彼らがわたしを信じないからです。

16:10 義についてとは、わたしが父のもとに行き、あなたがたがもはやわたしを見なくなるからです。

16:11 さばきについてとは、この世を支配する者がさばかれたからです。

16:12 あなたがたに話すことはまだたくさんありますが、今あなたがたはそれに耐えられません。

16:13 しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導いてくださいます。御霊は自分から語るのではなく、聞いたことをすべて語り、これから起こることをあなたがたに伝えてくださいます。

16:14 御霊はわたしの栄光を現されます。わたしのものを受けて、あなたがたに伝えてくださるのです。

16:15 父が持っておられるものはすべて、わたしのものです。ですからわたしは、御霊がわたしのものを受けて、あなたがたに伝えると言ったのです。

16:16 しばらくすると、あなたがたはもうわたしを見なくなりますが、またしばらくすると、わたしを見ます。」

 

説教要旨

主イエスが自分たちのもとからおられなくなり、さらには主イエスの名のゆえに世における反対や迫害があることを聞き、弟子たちの心は悲しみにいっぱいになっていました。しかし、主イエスは弟子たちに、ご自身が去っていくことは弟子たちにとって益であり、助け主がおいでになるためだと語られました。(v7)「助け主」とは傍らに呼ばれた者との言葉です。聖霊は傍らで弟子たちを助けてくださるお方です。

 

主イエスは、その助け主なる聖霊の働きをお語りになられました。第一に「世に対する働き」です。助け主なる聖霊は、イエスを救い主と信頼するのではなく退けたことが罪であることを世に明らかにします。(v9)助け主なる聖霊は、イエス・キリストは十字架で死なれ、復活され、父のみもとに行かれ、私たちを義とする罪の赦しの御業を成し遂げてくださいましたが、その義ではなく、律法を守ることによって自分たちを義とする世の誤りを認めさせます。(v10)助け主なる聖霊は、世はイエス・キリストを裁き十字架刑としましたが、イエス・キリストの十字架の死がサタンを裁くものであったという裁きの誤りを世に認めさせるのです。助け主なる聖霊は、イエス・キリストを信じ、洗礼を受けた時から初めて私たちに働くのではありません。イエス・キリストを退け、自分の正しさを主張し、神の救いのご計画を理解しない私たちの傍らに聖霊はおられ、私たちの罪を認めさせ、イエス・キリストの救いに与らせてくださるのです。私たちもかつては、神の存在を認めず、神の主権を嫌い、自分を中心として生きてきました。しかし、その私たちが神の存在を次第に覚えるようになりました。その神を無視して生きていることが罪ではないか、的外れな生き方ではないかと思うようになりました。神に悔い改め、イエス・キリストを自らの主、救い主と受け入れることができました。それはすべて聖霊の働きによったのです。その私たちは、今は世に主イエスの証し人として立てられています。でも、なかなか私たちの周りに救いの働きが見えないのです。でも聖霊は祈る私たちの家庭に、祈る私たちの職場にすでに働いてくださっておられます。そのことを信じ続けていたいと願います。聖霊が世に働きかけ、イエス・キリストを証ししてくださっているとの信頼の中で「主よ、私たちを主の証しに用い、なすべきことをなさせてください」と祈り歩んでいきたいと願います。

 

第二に「弟子たちに対する働き」です。助け主なる聖霊は、真理であるイエス・キリストとその救いを弟子たちに本当に理解させてくださいました。助け主なる聖霊は、御父と御子イエス・キリストから受けた言葉を、弟子たちに伝えました。聖霊は、「これから起こること(v13)」、十字架の死、そして復活、そしてそれによる救いの御業を弟子たちに伝えたのです。聖霊は、ひたすらイエス・キリストを証言し、イエス・キリストが持っておられる救いの言葉を受けて、弟子たちに伝える働きをなしました。これは新約聖書の成立過程と言うことができます。そして、助け主なる聖霊は、その聖書の御言葉において私たちに語りかけ、イエス・キリストの救いの理解と信頼を増してくださいます。また、助け主なる聖霊は、御言葉とともに歩む私たちを「キリストの心(Ⅱコリント2:16)」をもって一つひとつ判断をなしていく者としてくださるのです。「どれほど私は、あなたのみおしえを愛していることでしょう。それがいつも 私の思いとなっています(詩篇119:97)」

 

私たちの持ち場に聖霊の働きがあることを信じましょう。その信頼の中で私たちも主の証しに生きていきましょう。また、聖霊に導かれ、御言葉とともに歩み、キリストの心をもって一つひとつ歩んでいきましょう。聖霊に満たされ知恵、判断力、洞察力をいただきながら歩んでいきましょう。聖霊は私たちの傍らにおられ助けてくださるお方です。